オリーブの育て方。実ったオリーブの実で塩漬けを作りたい。
オリーブの樹が日本に持ち込まれたのは、江戸時代末期のことです。1862年(文久2年)頃、徳川将軍の侍医であった林洞海がフランスから輸入した苗木を横須賀に植えたとされています。
試験的にオリーブの樹を小豆島、鹿児島県、三重県で行いました。小豆島だけが地中海の気候に似ていたようで、栽培に成功したのは小豆島だけでした。
お家に植えたオリーブも実を収穫したいけど、実がならないってご家庭が多いと思います。オリーブの樹は2品種を受粉させないと、実がなりずらいんです。
オリーブの育て方
シンボルツリーにしようと思ったり、お祝いにプレゼントした時に、知っておきたい育て方。花屋さんも知っているようでしらない事も多いです。実も取りたいですよね。
置き場所
オリーブは日光がないと弱ってしまいます。基本的に野外で育てる植物です。(室内で観葉植物みたいに育てるのは難しいです)
寒さにはある程度耐えますが、-12℃以上で育てましょう。50cm以下の幼木はー5℃以上。
低温にあてることにより、花芽が付きやすくなり結実の条件になります。
植え付け・植え替え時期
樹木類は基本的に休眠時期に植え付けをします。オリーブも例外ではないのですが、3月の暖かくなる前に植え替えがいいでしょう。5月頃に花芽ができてきます。芽が動き出す前に根はいじらずにそっと植え替えてあげましょう。
植え付けや植え替え時に、倒れないように支柱を立てて植え付けます。根張りが浅いので、絶対に支柱が必要です。
土
オリーブは弱アルカリ性で良く育ちます。消石灰や苦土石灰を土に混ぜ込み、弱アルカリ性の用土を使いましょう。
※石灰は水にさわると化学反応で熱を出すので、混ぜて水をやってから時間をおいて植え付けましょう。
基本的には乾燥に強い植物ですが、結実している時はこまめに水が必要です。
肥料
花芽が動き出す前の2~3月、開花後の6月、実の熟成期の9・10月にリン酸成分が多い肥料をあげると実付きが良くなります。枝葉も成長するため窒素・リン酸・カリが10:10:10の肥料も交互にあげましょう。
花期・受粉
5月上旬・中旬・下旬ぐらいです(品種によって多少ずれます)。上旬の品種と下旬の品種を置いても受粉しません。
- フラントイヨ・ピクアール・チプレッシーノ・ネバディブロンコ・アルベキナ (5月上旬開花)
- マンザニロ・ミッション・ルッカ (5月中旬開花)
ちなみに、春から夏にかけて伸長した部分に翌年花芽を付けます。オリーブは伸びた枝に花に花芽が付く純正花芽(じゅんせいはなめ)で、多くは枝の先端から中間に花芽が付きます。剪定の時に枝先を切り詰めても花芽は付くので気にせずに剪定できます。
オリーブの樹は隔年結実性があり、1年ごとに実る年と実りずらい年があります。今年はいっぱい実ったなと思った年は、翌年は結実が少なくなるので思い切って剪定して樹形を整えてあげましょう。
結実
違う品種のオリーブが受粉すると、ちゃんと結実し落果しずらいです。品種の違いは葉っぱの形や樹形でわかります。
オリーブの実、1果当たりの葉数が多くなると果実は大きくなります。ミッションで10葉、マンザニロで5葉と言われています。
最近、どんどん新しい品種が出回りだして開花時期が多すぎて開花時期が分からなくなっています。確実なのは、5月に開花している違う品種のモノを買って育てることですかね。
オリーブの収穫
海外などの大農園では、機械で樹を揺すって実を落としたり叩いて実を落としたりします。日本では手摘みが多いですね。
時期
10月~11月ぐらいです。緑の時にとっても大丈夫ですが、黒くなってから収穫すると多少灰汁がぬけると言われています。
収穫
収穫したら塩漬けにしてみよう。そのまま塩漬けにしても良いが、灰汁がぬけるのに時間がかかります。苛性ソーダや重曹であく抜きすると早いです。
灰汁抜き開始から10日~2週間くらいで灰汁が抜けているかみて、食べられるくらいになっていたら塩漬けへ。
初日は重曹を洗い流すために水に浸けます。翌日は1%の塩水。毎日塩水を取り替えて、2~3日毎に1%ずつ濃度を上げていきます。
最終的に4%の塩水に漬けて完成です。小瓶に分けて冷蔵庫で保存しましょう。
まとめ
関東以南では庭木として植えられているオリーブの樹。大木にはなっているけれど、実はならないな~とお思いの方が多いです。
キウイみたいに雄雌あるんじゃないかな?なんて思っている方も多いですが、オリーブは異種受粉すると結実しやすいです。また、隔年結実性があります。
酒屋さんで販売しているような大きなオリーブの実にするには摘果するなどの手間が必要ですが、自家製オリーブを食べてみましょう。
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