杉玉作りの作り方。挑戦 in 茨城県植物園カルチャーセンター

造り酒屋さんや居酒屋さんの軒先で茶色のボールを見たことのある方もいらっしゃるかと思います。

 

日本酒の造り酒屋などが新酒が出来たことを知らせる時に軒先に緑色の杉玉を吊るします。葉がだんだんと枯れて緑色→薄緑色→茶色と変化するのと、お酒が同調して熟成具合を知らせてくれます。

 

そんな杉玉作りを、茨城県植物園で年に一度(12月第一日曜日)体験できます。人気の講習会で、すぐに定員になってしまいます。

杉玉

杉玉とは、杉の枝葉をボール状に丸く組んだモノを言います。

杉玉を下げる風習
  1. 酒造りの工程の“しぼり”の段階で、もろみを入れた袋が破れた時の応急処置に杉の葉で穴をふさいでいました。酒造りの最終工程“しぼり”が終わったことを広く知らせる為に杉玉をあげたのが始まり・・・という説。
  2. 酒の神様である大物主大神(おおものぬしのおおかみ)と、少彦名神(すくなひこなのかみ)をまつる奈良県大神神社(おおみわじんじゃ)のご神体が杉林であることから、造り酒屋が杉の葉や枝をいただいて杉玉を作り、神様が宿るものとして良い酒が出来るように祈った・・・という説。
  3. 酒の神様をまつる神社として有名な京都の松尾大社が発祥・・・という説。

はじまりには諸説あります。由来は定かではありません。

杉玉の中身

昔は竹で丸く組んだモノを中心に杉の枝葉を差し込んでいました。最近は、発泡スチロール球や針金、金網を丸く球状にしたものを芯にすることも多いようです。

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杉玉直径100cmの芯

杉玉の作り方

用意するもの
  • 杉の枝葉
  • チキンワイヤー
  • ワイヤー
  • 丈夫な麻ひも
  • はさみ(枝・葉を切れるもの)
  • ラジオペンチ
  • 厚めの手袋(杉は痛くてヤニが出るので手袋必須)
杉玉を作ろう

1.チキンワイヤーをボール状に丸めて細いワイヤーで球体に縛りつけます。麻ひもを長めにとり、核にしっかり結びつけます。

*1

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2.杉の枝葉を15cmぐらいに大量に切っておきます。

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3.吊るし用の麻ひもの真下のチキンワイヤーのマスから、切った杉の枝葉を挿し込み。核の半径より浅く挿し込みます(1~2cm)。*2

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4.最初は土台のチキンワイヤーが柔らかく変形してきてしまうんで、ラジオペンチで球体に直しながら挿していきます。前半の半球でポロっと抜けてしまいがちですので、挿していった杉の枝葉をまとめて下から抱え挿す感じで持つと抜けずらいです。

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5.半球まで挿し込めば、後の半球はマスにすること枝葉をギュウギュウに詰めなくても大丈夫です。丸く球体に仕上げていきましょう。

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6.雄花と雌花があり、花粉症の人は気になるかと思います。雄花が花粉を出しますのでその部分は除去しておいてください。

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緑や茶色のボンボンが雌花で、枝の先にちょっと付いているのが雄花。

7.ボサボサ杉玉を散発します。丸くって意外に難しいので、バケツなど丸く造ってあるモノを使って散枝葉します。

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8.少しずつ球体をずらしていき、円の淵にそってカットしていきます。丸い淵にだけそって切っていく事により、綺麗な球体に仕上がります。

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9.完成です。まだまだ、綺麗に仕上げようと思えば時間は無限大です。

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杉玉って買うと高い

 今回の講習会では700円で作れましたが、杉玉って買うと高い。高い杉の樹の枝葉を切ってきて、1日がかりで杉玉作り。丸2日かかりますね。

ネットでは3~4万円からであります。でも、あの高い樹から杉の枝葉を取ってくるのは容易ではありません。

 

 

*3

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*4 

まとめ

造り酒屋さんの軒先に吊るしてある杉玉の作り方を紹介しました。茨城県植物園カルチャーセンターにて年に一度講習会を開いています。

杉は日本の建築木材としてたくさん植えられています。しかし、樹の下の方の枝葉は切ってあり入手するのは困難です。

しかし、今回のような日本の文化を継承するイベントなどで体験出来ます。ぜひ一度、杉玉作りを体験してみてください。

けっこう、集中できますよ。

 

杉玉作りを教えられます。やってみたい方は連絡下さい。

hanakanzashi-flower.com

 

*1:今回は装飾用のひもも付けました。

*2:ぎゅうぎゅうに詰めないとポロっと抜けちゃいます。

*3:杉の枝葉入手と製作時間、技術を考えると高くはありません。

*4:手頃に杉玉を手に入れるには、上手くこのような講習会を使うか、杉を見つけるしか方法はないですね。花屋で取り扱いはありません。(セッカン杉という先が黄色い杉は有ります)